水温を測って生態調査
漫画「釣りキチ三平」の2巻「カルデラの青鮒」では、三平くんたちは、青鮒のタナの水温を測っています。
「魚は自分に適した水温の層をタナにして住んでいる。水温を目安にしたタナを狙えば釣れる。」とのことです。
三平くんや一平爺さんの言うとおり、水温は釣果を左右する重要な要素。
静岡市内の沼は浅く、タナによる温度変化は小さいですが、釣り場の水温をこまめに測定すれば、何か見えてくるかもしれません。
そうは言っても、毎回釣り場に水温計を沈めるのは面倒です。
なので私は、水面の温度を簡単に測定できる非接触温度計で、釣行時の水温を記録しています。
タナゴ釣りで、1年分以上の水温のデータが集まったので、一旦集計してみることにしました。
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タナゴ釣りに適した水温は?
以下の表は、1時間あたりのタナゴの釣果を、水温ごとに集計したものです。
ゲストについては、それぞれの水温の範囲で、その魚が1匹以上釣れた釣行の割合を示しました。
NO. | 水温(℃) | タナゴの匹数/1時間 (平均) | 釣行回数 (総数223回) | オイカワが釣れた 釣行の割合 | カダヤシが釣れた 釣行の割合 | モツゴが釣れた 釣行の割合 |
1 | 3.1〜4.9 | 33 | 5 | 40% | ー | 80% |
2 | 5.0〜7.4 | 17 | 10 | 60% | ー | 80% |
3 | 7.5〜9.9 | 40 | 26 | 23% | ー | 27% |
4 | 10.0〜12.4 | 44 | 26 | 27% | ー | 19% |
5 | 12.5〜14.9 | 30 | 21 | 33% | ー | 29% |
6 | 15.0〜17.4 | 37 | 23 | 43% | 13% | 13% |
7 | 17.5〜19.9 | 34 | 35 | 51% | 9% | 14% |
8 | 20.0〜22.4 | 52 | 30 | 57% | 7% | 13% |
9 | 22.5〜24.9 | 48 | 21 | 67% | 33% | 5% |
10 | 25.0〜27.4 | 40 | 13 | 46% | 46% | 23% |
11 | 27.5〜29.9 | 25 | 9 | 78% | 56% | 56% |
12 | 30.0〜30.6 | 33 | 4 | 75% | 75% | 75% |
NO.1からNO.4までの低水温時、タナゴ達は越冬場所で群れています。
その中でNO.3とNO.4では、水温上昇に伴ってタナゴの活性が上がり、釣りやすくなってきます。
さらに水温が上昇したNO.5からNO.7では、タナゴ達は越冬場所以外でも広く活動しています。
越冬場所で数釣りを楽しむこともあれば、移動中の群れを捉えきれずに苦戦することもあります。
釣果は安定せず、平均するとやや少なめになります。
水温が20℃を超えたNO.8とNO.9では、タナゴ達は条件が良い場所で大きな群れをつくり、とても釣りやすくなります。特にNO.8は、タナゴの活性が高い一方で、カダヤシはそれほど活発ではないので、ストレスなく入れ掛かりを楽しめます。
高水温期のNO.10からNO.12では、タナゴの活性はやや低下します。
特にNO.11とNO.12になると、水温が相対的に低い場所に、タナゴもゲストも集合するため、釣り分けが難しくなります。
タナゴ釣りに適した水温は20℃から25℃。
カダヤシは25℃以上で活発になるため、水温が高い時期には、仕掛けを重くするなど、カダヤシ対策が必要になります。
モツゴは幅広い水温に適応し、特に低水温時には、タナゴよりも素早く餌を追います。
オイカワは、水温というよりも酸素濃度に影響を受けるイメージ。
水に動きがあれば、幅広い水温で活発に活動します。
オイカワはタナゴと違って流れを好むので、タナゴとの釣り分けは比較的簡単です。
データ収集は、まだ始めたばかり。
今後も水温測定を継続し、折を見て集計し直すことで、情報の精度を高めたいと思います。